飲食店の内装業者を選ぶとき、工事単価だけ見ないで!重要なパートナーだからこそ、信頼できる人を。

カフェの店内

飲食店のオープンはやることが多くて大変ですよね。物件は決まりましたか?物件が決まったら内装屋さんを手配すると思います。当然ですが、私はいろいろな内装屋さんを知ってるわけじゃありません。私がやったお店は1軒だけですから。

内装屋さんとは1回だけのお付き合いでしたけど、「結構ヤ○ザな世界だな~、私じゃ多分無理だな」なんて思った記憶があります。良い意味でも悪い意味でも。今回はその辺りのことをちょっと書こうと思います(ほとんど体験記です)。

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内装屋さんが重要な理由

内装屋さんと一口にいっても、いろいろなタイプの業者さんがいます。たぶん。ブログには経験からいえることしか書けませんから、私のお店の内装をやってくれた業者さんのことをお話ししましょう。

私の店は最初スケルトンでした。スケルトンていうのはコンクリむきだしの、何にもない物件の状態を指します。設計と施工業者を別々にする方もいるかもしれませんが、大抵は内装屋さんが図面ひいて、そのまま知り合いの大工さんとか集めて始めちゃうんじゃないかな…。少なくとも私の店を施工してくれた内装屋さん(Kさんとします)はそんな感じでした。

保健所の営業許可が下りるかどうかは内装屋の手腕

推測ですけど、飲食店の内装って特殊だと思うんですよね。内装が完成したら保健所の人に来てもらって店内みてもらって、営業許可を頂かないと営業できませんから、営業許可が下りるように設計しないといけません。

内装が完成してから保健所にダメだしくらっても遅いので、あらかじめ図面を見せに行ったりするらしいんですが、そういうの素人じゃできませんよね?保健所との折衝も内装屋さんにやってもらうしかないんです。そもそもダメだしくらっても、素人じゃ図面修正したりできませんよね。

設備でクリアしなきゃいけない要件が、例えば洗浄用のシンクは2漕必要とか、シンクとは別に手洗い設備が必要とかあって、飲食店の内装やってる人は保健所にOKもらうためのポイントを経験で押えてるんですよね。資金と物件の広さが潤沢なら悩むことはないんですが、普通は限られた条件のなかでクリアしなきゃいけないので、保健所を突破するテクニックをもった内装屋さんに頼るしかないんです。

例えば、食器洗浄機があればシンクが1漕でも目をつぶってくれるとか(他の地域は知りませんよ。Kさんがなじみの保健所の担当さんがたまたまそうだったってだけです。ウチは2漕作れたので作ってもらいました)、店が狭くてどうにもなんないから手洗い設備を形だけ設置して、許可が下りたら外しちゃうとか。

その地域の保健所によって、厳しいところもあれば甘いところもあります。私の店を審査しにきた担当さんも、手洗い設備を後から外すってことを恐らく知ってて知らんぷりしてくれてたんじゃないかなあ…。

保健所と内装屋さんの間には呼吸みたいなものがあるなーと感じました。こういう諸々を熟知してるのは飲食店の内装を専門にやってる業者さんじゃないと難しいんじゃないかな。広い店なら営業許可を心配することはないですが、狭い店なら内装屋さんの腕は重要になります。

借金の根拠になるのが内装屋の見積もり&図面

私は国民金融公庫で融資を受けたんですが、融資を申し込むのに事業計画書を提出しなければなりません。まあ当然ですね。で、いくら融資してほしいかの根拠を示すために、内装屋さんに図面ひいてもらって、見積もりしてもらって、それらを添付するわけです。

内装屋さん(Kさん)にしてみれば、ここで自分の報酬が決まるわけですから(私が融資を受けられなければ、Kさんの仕事はなくなるわけです)真剣です。私が若造で頼りないから、事業計画書までしゃしゃり出て、私に適当にヒアリングして、サラサラ~♪っと代筆してくれちゃいましたよ^^; まあ、おかげであっさり融資が下りたわけですが(笑)

飲食店経営の経験があるとなお良し

Kさんは飲食店経営をやったことがあったので、店側の動線とか、お客さんがゆったり座れるかとか、お客さんが座った時の目線とか、いろいろ考えてくれました(ウチはカウンターの店だったので、お客さんが座った時にあまり見えちゃまずいものが見えないように什器の配置を工夫したりとかね)。

はっきりいって、Kさんの知識・経験がなければ安定して運営できるお店にはならなかったんじゃないかと今でも思います。やっぱりお店を運営することを具体的によく考えないと、とても仕事がやりにくい店になってしまう可能性があると思います。Kさんのように飲食店の経験がある内装屋さんは頼りになります。

キレイなデザインの店が、必ずしも営業しやすい店とは限りません。従業員の導線・テーブルに座った時のお客さんの目線・什器のメンテナンスのしやすさなど、ぱっと見では分からないところを熟知している内装屋さんを見つけてください。

私と内装屋Kさんのエピソード

ここからは私が物件を決めて内装をKさんにやってもらうまでのエピソードです。表面上は単なる体験記ですが、これから飲食店を始める人にとっては非常にヒントが詰まった読み物だと思いますので良かったらお付き合いください^^

Kさんはすでに物件から絡んでた

Kさんはとっても頭がいい方でした(私がバカなだけかも^^;)。図面ひく、大工さんや資材・什器の手配する、保健所との折衝する、融資申込みの事業計画書も書く。そしてウチだけじゃなく、他の飲食店も数店同時進行で請け負ってました(まあこれが火種になるんですが)。すごい作業量だと思います。

私の人脈には、こんな頭の良い方はいません。このKさんにお世話になったきっかけは不動産屋さんの紹介だったのです。

まず、私が見習いをさせてもらった店の社長が引き合わせてくれたのが茅場町の不動産屋さん(Fさん)でした。ほどなくして、確かに大通りに面したいい物件を紹介してもらい、そこに決めました。するとFさんは

「いい内装屋さん紹介するから、この人にやってもらうといいよ」

と有無を言わさない感じで、Kさんを私に紹介したのです。まあ別に内装屋の知り合いもいませんでしたし、全然深く考えずに「はあそうですか」てな感じで名刺を頂き、話はトントンと進んでしまったわけです(若いから仕方ないとはいえ、危なっかしいですね^^;)。

つまりFさん(不動産屋)とKさん(内装屋)はグルだった

勘が良い方は気づいたと思いますが、FさんとKさんはつながっています。Kさんは仕事上、飲食店関係者からどの店がいつ撤退する等の情報が入りやすい立場にいます。ですがKさんは宅地建物取引業の免許がありません。そこでFさんに新鮮な物件情報を流し、見返りに内装業の紹介をしてもらうわけですね。

これは後になってKさんに聞いたことです。聞いたときは特に腹が立ったわけでもなく「はあ~、なるほど、やるなあ~」と思ったものです。でも親しくなった大工さんに聞いたところでは「ちょい高いかな」っていってましたけどね^^; まあ事業計画書も手伝ってもらったし、手間賃というか勉強代かなと思ってます。

私の場合、相見積もりも取りませんでした(*ノ∀`*)。賢明とはいえないでしょう。でもまあ相見積もりをとるのは結構だと思いますが、内装も不動産も全くの素人が相見積もりをとったところで実際うーん…て感じかなとも思います^^; 詳しい知り合いがいればベストでしょうね。ホント、素人がカモられやすい世界です。

Fさんは両手なのよ

これ、両方の手のことじゃありませんよ。大家と店子の両方から手数料をとること、略して両手です。え?常識?(笑)すみません、若造なので知りませんでした。ご存じない方のために素人解説を。

不動産屋さんは物件を貸したい人(オーナー)の情報と借りたい人の情報を常に集めてます。手持ちの情報でうまくマッチングできれば両手となります。不動産屋さんはこれが一番儲かるので両手で取引したいと思ってます。

そう毎回うまくいくはずないと思いますが、Fさんの場合、Kさんが閉店情報(不動産屋にとっての仕入れ)を流してくれます。なので私のケースのように、他所よりも両手になることが多くなるんでしょう。その見返りがKさんへの仕事斡旋なんですね。

やっぱり顔のつながりは侮れない

大抵の人がやると思いますが、私もネットの仲介サイトで情報を集めていました。一般的によく言われることですが、ネットとかチラシに出てくる情報というのは枯れていることが多いそうですね。良い物件は表に出る前に借り手がついてるものです。

だからといって、表に出てきた情報を最初から否定的な目で見なくてもいいとは思いますが(中には掘り出し物もあるでしょうし)、「良い物件は借り手がついてるもの」ということを心の隅においてフラットな目線を心掛けるといいと思います。

結局、足しげく不動産屋さんに通うのが回り道なようで一番の近道かと。良い物件は同業者の間でやりとりされますので。不動産屋さんもやっぱり人の子ですから、何度も通ってくれる人には役に立ってあげたくなるものだと思います。また、最初のうちは多少興味がない物件でも下見の数をこなして目を養うのもいいことだと思います。拙速な判断を防げますから。

Kさんのトラブルエピソードから考える内装業者選び

私が感じた、飲食店専門の内装業の特徴

ここまで読んでくださった方は何となくお分かりでしょうが、Kさん(内装屋)は結構したたかで、ヤ○ザな一面もありました。世間ではこんな内装屋は珍しいのか、はたまたこれが普通なのかは分かりませんが…。

銀行・職人さん・保健所・クライアントなど様々な種類の人間を相手にするわけですし、内装の内容(グリスト設置・什器の調達や設置など)も幅広い。なので基本的に頭の回転が良くて、対応力が高くないと務まらない職業でしょう。まあその反面、誠実さがないとトラブルを招きやすい立場なわけです。

私が店を出したのが下町ということもあったのかもしれませんが、Kさんは人使いが非常に荒かったようです(私は当事者ではなく、すべて伝聞ですが)。

大工さんに無理な工期で仕事を押し付ける。Kさんは複数の現場を請け負ってましたから、工期を重複して発注します。A店のこれやっといてね、B店のオーナーが文句言ってるからここ直してあげて、それからC店の工賃あと1週間待ってもらえる?etc。

大工さんはたまったもんじゃありませんよね。私は工事中にちょくちょく様子を見に行っては話を聞いてましたが、「もうKさんとは仕事しない」と言ってる人もいました。でもKさんは私と会ったとき「孫が生まれた」とかいってましたから結構なお歳のはず。いったい今までどうやって仕事をつないできたのか疑問です^^;

エピソード1:あの、水が漏れてるんだけど?(怒)

私の店を施工してくれている期間中、少なくとも半径1kmの範囲で3店の内装をやっていたKさん。一人は定食屋さんをやるとかで、だいぶ年配の女性だそう。工事期間中も完成してからも、Kさんはこの女性からしょっちゅうクレームの電話を受けてました。

配管工事に欠陥があったらしく、店内が水びたし。どうもグリーストラップの工事がうまくいかなかったようです。電話を無視したり、大工さんに対応を押し付けたりして逃げ回ってました。開店はしましたが、1年もたずに閉店してました。

グリーストラップ(グリスト)とは油脂を含んだ排水をそのまま流さずに一旦ためておく装置です。私がバイトしてた飲食店では、閉店後にグリーストラップに洗剤を撒き、混ぜ混ぜして油脂を分解していました。油の出番が多いメニューを扱う業態のお店はホント大変ですよ。

エピソード2:開店が遅れた!家賃補償しろ!

もう一店はすぐ近所でした。何屋さんかは伏せます^^; とにかく頭の回転は速いけど仕事が粗いKさんだったので、大工さんへの工賃が遅れたり、工期が遅れたりします。

工期が遅れるということは、開店日が遅れるということです。その間、売上はゼロですから怒るのは当然ですね。だいぶ揉めてたようです。ケンカしてるところ見ちゃったりしたし。

今後のメンテナンスを考えて長く付き合い、信頼できる人を

内装業者さんというのは仕事の内容上、案外と切った張ったの世界だというのがお分かりいただけたでしょうか。店は必ず定期的にメンテナンスが必要になります。そのときお世話になる職人さんに顔のつながりがある内装屋さんとは、長い付き合いになることを見越しておかなければなりません。

工事単価だけを見るのではなく、長い付き合いをする相手だということをよくよく考えて工事を依頼してください。ちなみに私はKさんとのつながりは切れ、ダイレクトに職人さんと連絡を取り合ってメンテを依頼してました^^;

絶対に守って!お金は数回に分けて払うのが鉄則!!

Kさんとのエピソードを書いてるのが楽しくなっちゃって、大事なこと言うのが最後になっちゃいました^^; 工期にもよりますが、お金は2~3回に分けて支払ってくださいね。絶対に一括で払っちゃだめですよ!

Kさんとのお話はひとまずこの辺でおしまいにしますが、これまで読んでくださった方には、この業界の雰囲気がざっくりお分かり頂けたと思います。Kさんもそこそこ酷かった(頭はいいんだけどね^^;)ですが、おそらくこの業界はこういうことが日常茶飯事だと思うので、これから開業される人のお役にたてばと思って昔を思い出しながら書きました。

一番いいのは、既に開業されている飲食店オーナーで信頼関係がある方に紹介してもらうことじゃないでしょうか。私は危ない橋を渡っちゃいましたが(笑)。最後まで読んで下さりありがとうございました。参考になりましたでしょうか。ではでは。

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