飲食店経営は、まずは「生き残る」ことに目標をおいてみよう。

飲食店経営というとやっぱり目指すは繁盛店なんですが、周りを見渡すといろいろなスタイルのお店があります。一概に繁盛をがむしゃらに目指すということだけが店舗経営ではないかもしれません(ちなみにこの記事は個人経営の小規模飲食店を前提にして書いてます)。

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ただ「生き残る」それだけで価値がある。

「淡々と」3年続けてみよう

いろんなお店があるでしょうが、昨今飲食業界の競争はすさまじいものがあります。飲食店なんて1年持たないのは珍しくありません。まずは3年。もう5年も続ければかなりの古株です。それだけ淘汰される店は多く、続けることの難しさを表していますね。

逆に言えば、それだけ続けばそのエリアのお客さんから信用を得られるということです。できたばかりのお店というのは新鮮さはありますが、まだ味もオペレーションも安定してません。それは飲食店を知らない素人のお客さんでも何となく感覚的に分かってるんです。

でも3年も続くと「あれ、あの店まだやってるなあ。美味しいのかもなあ」って見方をする人も出てくるんですね。新し物好きで失敗を恐れず果敢に新店に挑むお客さんもいれば、失敗が嫌いで損はしたくないってお客さんもいます。

そういう新参者に距離を置いてたお客さんに振り向いてもらうには、ある程度の時間が必要なんですね。だから初めは繁盛しなくて「こんなはずじゃなかった」って焦るかもしれませんが、まずは自分の店の味やオペレーションを安定させることを目標にコツコツ続けてみることです。3年続けることを目標にするんです。

じゃあ実際続けるってどういうこと

私が飲食店をやった経験からすると、よっぽど家賃の高いところに出さない限り、収支がマイナスになることは普通はないです。「こんなのやってられない」って給料になることはありますけど。

条件はありますよ。まず初期投資を極力抑えること。それと人件費を削ること、つまりできるだけ自分がやるってことです。

飲食店が抱える在庫はもちろん食材です。食材には賞味期限があるので、抱える在庫の量は限られてますし、金額に直してもすごく高額になることはありません(よっぽどの高級食材でなければ)。となると残るは家賃・人件費・初期投資のローンなんですね。この3つを稼げれば継続は可能です。

じゃあなぜこんなに淘汰されるのか。もちろんこの3つが稼げない正真正銘の赤字の場合もあるでしょうが、私は精神力だと思ってます。

要は、バカバカしくなるんですね。心が折れてしまうんです。飲食店って、すごく夢をもって始める人が多いですから(まあ起業なんて普通そうでしょうけど)、ギャップに耐えられなくなるというか。

でもね、私は飲食店っていうビジネスは年月が財産になると思うんですね。その地域の人たちとの信用、「顔なじみの店員さんに会えて、慣れ親しんだ味の料理を食べられて安心する」っていう感覚ですね。

ここの域に到達するとビジネスとして強くなるしラクになるんですけど、最初の1年やそこらじゃどんな店かも分からないし、いろんな意味で安定しないのは無理もありませんね。

創業43年の老舗を見て思った

私がなぜこんなことを言うのか、きっかけをお話しします。私がやっていたお店の近くに、昔っからの老舗のカレー屋さんがありました。いや、今もあります。絶賛営業中です。お店の売りは「提供の早さ」です。

さっき気になって検索してみたら、一所懸命素人が作った感じの(私も素人ですけど^^;)HPがありました。どうやら昭和48年創業のようです。ということは今年(2017)で44年ですね。バイトさんはおらず、おやじさん一人で切り盛りしています。

お店をずっと眺めてると、行列を作ることはないのですが一人、また一人と絶妙な感覚でお客さんが途切れることがないんですね。きっとこんな感じでずっと44年やってきたんだろうな…とすごく歴史を想像しやすいお店です。

あれ、意外と味は普通…?

ここのお店のカレーは失礼ながら可もなく不可もなくです。特別美味しくもないし、かといってまずいわけでもない。よく言われる「どこか懐かしい味」です。一言でいえば「普通」です。

メニューもすごく少ないです。トッピングがカツなど一般的なものと、サラダやスープくらい。ほとんどカレーのみです。内装も比較的さっぱり…というか殺風景といってもいいかも。

普通は飲食店は、理想を言ったら料理の開発や改良をするものですが、おそらくこの店はずっとやってません。失礼ながらあまり工夫の結晶、という感じの商品ではありません^^;

安定と信頼。ご褒美は途切れないお客と店の土地。

私の知り合いに聞いた話ですが、ここの店主は店の土地を数年前に買い取ったそうです。また、かなりぼろかった店を改装しました。改装期間は当然お休みになるわけですが、私はこの店のおやじでもないのに、何人ものお客さんに再開の日を聞かれましたよ。

ふらふらしないで一か所に腰を落ち着けてシンプルを貫いたからこそ、店の土地を買うお金もできたし、再開の日を待ちわびるお客さんもできたんですね。

特別「絶品」じゃなくても(まあ美味しいにこしたことはありませんが)、創業44年の歴史は既にお客さんの心に「おふくろの味」に近いポジションを確立しているのです。

いきなり老舗を目指さなくてもいいけど

私が思うに44年前と現在では全然商売する環境が違いますので、ここのおやじさんと同じようにはいかないと思います。やっぱり44年前は明らかに競合も少なかったでしょうし。今から始める人の方が厳しいとは思います。いまからおやじさんが創業したらまず無理でしょう。やっぱり改善や工夫は必要です。

でも淘汰が激しいからこそ、ちょっと我慢して3~5年生き残るだけでグッと価値は上がると思いますよ。いきなり繁盛店になれない自分を責めたり、理想とのギャップに苦しむ前に、まずは肩の力を抜いて1品だけでいいから自信を持って出せるものを作りましょう。

味が安定して、オペレーションも安定して、「この店は、このメニューだけはいつ来ても間違いない」って思われるようになりましょう。まずは1品だけで、いいんです。お客さんはそれを食べに来るようになります。

高齢者配食サービスチェーン【まごころ弁当】


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